5週目の胎児とほぼ同等な脳を培養する事に成功
- 2015/08/21
- 23:52
発生から5週目の胎児の物とほぼ同等の脳を培養する事にオハイオ州立大学のRene Anandが成功いた。
プレスリリース:Ohio State University. "Scientist: Most complete human brain model to date is a ‘brain changer’" (August 18, 2015)
今回培養されたヒトの脳。
画像引用元 (Ohio State University)
ヒトの脳の仕組みの研究は、これまで数値モデルや齧歯類の脳を用いて考察が行われてきた。実物を用いるのは倫理的に問題があるためである。しかし、当然実物ではない物を用いている以上、詳細は不明である。例えば自閉症に関連する遺伝子は600以上あるが、それがどのようにして関わっていくかは数値モデルでは計算が膨大過ぎて対処しきれなくなる。そのため倫理的問題を回避するため、他の細胞から脳を培養する研究が進められていた。
オハイオ州立大学のRene Anandがこのほど培養に成功した脳は、えんどう豆程の大きさしかない、発生から5週目の胎児の物とほぼ同等の大きさである。脳はヒトの成人の皮膚細胞から多能性幹細胞に変化させ培養されたが、これにはiPS細胞の技術が応用されている。脳を構成する様々な細胞や、脳と脊髄の主要部位の全てが含まれている。また脳に含まれる遺伝子の99%も持ち合わせている。ただし血管などの脈管系は存在しない。
今回の研究結果は、脳の仕組みに関する研究を推し進めるものとなる。実物を使う事で、脳に対する障害や、薬剤が脳に与える影響を研究できるからである。皮膚の細胞から培養された物なので、倫理的問題も回避される。遺伝子の殆どが発現している事も強みだ。ただ、今回再現できなかった1%の遺伝子を更に少なくすることで、16週目や20週目のようなより成長した脳の構築が可能だろうと推定している。
プレスリリース:Ohio State University. "Scientist: Most complete human brain model to date is a ‘brain changer’" (August 18, 2015)
今回培養されたヒトの脳。
画像引用元 (Ohio State University)
ヒトの脳の仕組みの研究は、これまで数値モデルや齧歯類の脳を用いて考察が行われてきた。実物を用いるのは倫理的に問題があるためである。しかし、当然実物ではない物を用いている以上、詳細は不明である。例えば自閉症に関連する遺伝子は600以上あるが、それがどのようにして関わっていくかは数値モデルでは計算が膨大過ぎて対処しきれなくなる。そのため倫理的問題を回避するため、他の細胞から脳を培養する研究が進められていた。
オハイオ州立大学のRene Anandがこのほど培養に成功した脳は、えんどう豆程の大きさしかない、発生から5週目の胎児の物とほぼ同等の大きさである。脳はヒトの成人の皮膚細胞から多能性幹細胞に変化させ培養されたが、これにはiPS細胞の技術が応用されている。脳を構成する様々な細胞や、脳と脊髄の主要部位の全てが含まれている。また脳に含まれる遺伝子の99%も持ち合わせている。ただし血管などの脈管系は存在しない。
今回の研究結果は、脳の仕組みに関する研究を推し進めるものとなる。実物を使う事で、脳に対する障害や、薬剤が脳に与える影響を研究できるからである。皮膚の細胞から培養された物なので、倫理的問題も回避される。遺伝子の殆どが発現している事も強みだ。ただ、今回再現できなかった1%の遺伝子を更に少なくすることで、16週目や20週目のようなより成長した脳の構築が可能だろうと推定している。
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